2006年01月22日

ファミリー   4

恵子の話によれば、彼女の夫は浮気しているらしい。
初めて外泊した日、連絡が途絶えてとても心配したという。明け方電話があり
「飲みすぎて、同僚のアパートに泊まった。ごめんな。」と言ってきた。
これまで仕事で遅くなることは多かったけれど、連絡もなく外泊することはなかった。
その日の夜、彼が優しく恵子を抱きしめたので、「やっぱり浮気したんだ。」と恵子は確信したという。
その後、仕事の接待で帰れそうもない、同僚のアパートで飲んでるから、早朝の会議があるから、、、などさまざまな理由で10日にいちどの割合で、どこかへ泊まるようになったとのこと。
「なんの証拠もないけど、ただの私の勘なの。」と恵子は言う。
「遅くなってもいいから、帰ってきてね、心細いから。それから、浮気しないでね。」って
言ってしまいなさいよ。」と私が言うと
「そうね、何でも許してしまいそうになる私も良くないのよね。頭の中でぐるぐる、いろん
な考えが渦巻いて、それでも確かめるのは怖くって。この頃、眠れなくなって、、、。」
恵子が夫を追いつめることで、大切な家庭に亀裂が入ることを恐れていることはよく分かっていた。それで彼女は、何も言えなかったのだろう。しかし、不眠の日が続き恵子自身が追いつめられて行くことが私はとても気がかりだった。

もしも、恵子の夫が本当に浮気をしていたとしたら、原因はなんなのだろうか。
いつも真っ直ぐに夫だけを見ているような、控えめで心優しい恵子。平凡の素晴らしさを身をもって感じていて、寛容で思いやりがあり、妻としては最高だと思うのに。
私は毒舌だとよく彼女に言われたけど、恵子は人がいやがるようなことは決して言わない。人をきずつけるようなことも。陽だまりのような彼女になんの不満、不足があったのだろうか。

「10日に一度の泊まりが、この頃は一週間に一度になってきたのよ。」
しばらくぶりに電話した私に、恵子は小さな声で告げた。
posted by 佐恵子 at 13:12| Comment(4) | TrackBack(0) | ファミリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうですねえ、男が浮気をする心理は、性(さが)そして、子孫繁栄というDNAなんでしょうねえ。ただ、人間だから、理性と言うものがあり、動物的な部分を抑えているのでしょう。「浮気」について言えば、昨今は男だけでなく女性も多いみたいです。ただ、男よりも女性の浮気の方が隠すのがうまい。男は自分が浮気をしていても、妻に限ってそんなことはしないと思い込んでいます。男が浮気をする時期は、妻が子供にかかりつけの時が一番多いでしょうか。あとは、子供が仕上がってからのいわゆる倦怠期でしょうか。妻との価値観がずれてくると、男は(女も)自然と無意識のうちに価値観の同じ相手を求めてしまいますね。それからなんと言ってもSEXの欲求の差。これは男女どちらが多いのかはなんとも言えませんが、伴侶に対する不満から浮気に走ると言うことも現実として、少なくはないようです。
Posted by ひま at 2006年01月23日 17:46
この物語を思いついたのは、一昨年離婚した親友に再会したことがきっかけでした。
結婚当初、うらやましいほどのお似合いの二人が、長い間苦しんでだした結論でした。「夫婦のことは、他の人にどんなに説明してもわからないんだ。」と拓郎が離婚したときに言っていた記憶があります。
恵子はこれからどうなって行くのでしょう。
ひまさんの本音は、同世代の男性の本音でしょうね。
Posted by 佐恵子 at 2006年01月23日 21:18
浮気は絶対にいけません!
家庭を壊してはいけません!
子どもを泣かせてはいけません!
そうしないと、快楽がいつでも得られるので少子化がますます進みます。
Posted by awakak at 2006年01月26日 19:19
とても正しいコメントに、なぜかくすっと笑ってしまいました。
awakakさんは、楽しい愛妻家なのでしょうね。
また読んでね。
Posted by 佐恵子 at 2006年01月26日 20:09
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/12067339

この記事へのトラックバック