2014年12月21日

証明 

「いろいろと悩んで、苦しんで、考え抜いて出した結論なんだ。辞めると決めたらとても楽になれたんだ。
だからもう、引き止めるようなこと言わないでよね。もう、決めたんだから。」

 吹っ切れたような明るい表情で、Nは私にそう告げたのでした。
「入学してからこれまでの時間や、それにかけたお金がもったいないね。クラスには親しい友達もいるのに、一人になって寂しくないの。アルバイトだけでは自立できないよ。
卒業してから、また別のことをしてもいいんだし。
美的センスもあって、デザインも得意なんだから、辞めないで取れるだけの資格を取れば、就職もできるのに。」と思いつくこと全て言ってはみたけれど、彼女の気持ちは変わらないとなんとなく分かっていた。

「つらいからと言って逃げていたら、何も変わらないよ。少しずつ良くなるようにやってみようよ。」
と言ってはみたが、
「先生、今は逃げたいの。逃げてもいいでしょ。つらすぎるときは、逃げてもいいじゃない。
これまで自分を追い詰めすぎたから、少し楽になりたいの。それから、やれるようにやってみるから。
心配しないで、見守ってほしいの。」

しっかりしたNの言葉には、苦しんで出した結論への強い気持ちが感じられ、説得力があった。

Nは、何がつらかったのか、何が苦しかったのかは、私にきちんと話してくれた。その内容を考えると、
逃げたくなった気持ちが理解できた。


「証明」の歌詞を思い出した。

太陽に背を向けて走れ、風に向かって逃げるも良いさ
今を今と感じるならば、光も闇も狂おしいほどだ

暗い暗い路地が見える、野良犬さえも臆病がって
何処へ続く道かは知らず、行ってみようおのれの足で


Nを信じてみたいと思う。
自分の生き方を見つけるまで、見守っていようと思う。

心を解放したら、いつかきっと逃げないで立ち向かえることを見つけると、信じてみようと思う。

生きてる証を見つけてほしい。
posted by 佐恵子 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | よしだたくろう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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