2015年04月23日

 消えていくんだね

青春時代を過ごした町に久しぶりに仕事で来ました。
一昨年まであったはずの美容室にシャッターが下りていました。
「テナント募集」の看板も。
私が働いた最初のサロンです。
30年前の私はがむしゃらだった。夢に向かって必死に頑張っていた。
布団に入ると、わけの分からない涙で枕を濡らす夜も多かった。
オーナーだった先生が亡くなってもう3年。
美容師としても、人間的にも尊敬できる人だった。
あの頃15人くらいいたスタッフ、今はどうしているんだろう。
先輩が受け継いだと聞いていたから、いつでもお店に行けば皆に会えると思っていた。
美容師に育ててくれた昔の先輩達が今もまだ働いていると聞いていたから。
いつの間にか、消えてゆくんだね。
本当の思い出になっていくんだね。

お店の近くで、先生の弟さんが営んでいたカレー屋さんはまだ残っていました。
一度は店の前を通り過ぎたけれど、やっぱり懐かしくて引きかえして店に入りました。
「銀南カレー」は今も300円のままで、30年前と同じ味でした。
マスターはぼんやりとだけど私を覚えていてくれたみたいです。
「なんか見たことある顔だなあ。」と言って、昔話をしてくれました。

つらかった修行時代、恋もしていたけれど、うまくいかなくて、
家族は病気になってしまうし、
何にもいいことなんてないと思っていた。
それでも夢だけは失わなかったから、多くの人に助けられて、なんとか一人前になれたんだと思う。
基礎技術のしっかりした、40年以上続いた老舗の美容サロンが私の美容師としての原点だった。
多くの先輩達がスタイリストとなり、そこから独立して自分の店を持っている。
独立するスタッフを喜んで送り出す先生の器の大きさを尊敬していた。
私は美容師を目指すたまご達を育てる仕事に就いたから、そこで恩返しをしなければ。

この場所に来ると、ひたむきだった二十歳の私を思い出す。
つらいことが多かったけれど、歯をくいしばって頑張っていた私に会える。
それがあるから今があるんだと、もう一度心の中で確認して、
もうあの頃のように突っ走ることはできないけれど、
ゆっくりでもいいから、一歩々進んで行こうと思う。

消えていくんだね。時代とともに。
それでも、青春の思い出はいつまでも消えはしない。
posted by 佐恵子 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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