2005年08月21日

いつもチンチンに冷えたコーラがそこにあった   その5

「ひどいこと言ってしまった。残酷なことしてしまった。赤シャツさんの受験がうまくいかなかったら絶対に私のせい。試験が終わるまでは逃げ回るつもりだったのに。自分の気持ちを楽にしたくて、全部はきだしてしまった。 取り返しのつかないことしてしまった、 先輩どうしよう。」
その日の夜、遼子は不安そうな声で電話してきた。
「赤シャツさん、「今日だけ、今だけ、夏休みの君に戻ってくれないか。あの頃の明るい笑顔、もう一度見せてほしいんだ。勉強で疲れていた僕に、君は優しくしてくれた。僕から急に離れていったわけが何なのか、いまだにわからない。夏休み最後の日、僕の18回目の誕生日に「勉強頑張ってね。いつもコーラおごってくれてありがとう。」といってほっぺにキスしてくれたね。君が何も言ってくれないから、黙って見つめているしかなかったんだ。頭のなかは、いつも遼子のことでいっぱいだった。」
そう言って私の腕をつかんだから、怖くなって大きな声出して、今まで思っていたことぶちまけてしまった。でも今は後悔してるんです。」

「遼子、言ってしまったことはもうどうしようもないから、赤シャツ君の頑張りを信じようよ。遼子とつきあっているときも、うまくいかなくなって追いかけているときも、勉強は毎日7時間はしていると言っていたし、実際成績も維持していたから、今まで積み重ねてるものがあるからだいじょうぶよ。」
「遼子が言いすぎて後悔してることだけ、私から伝えておいてあげるから。」

「恋愛はどちらが悪くてどちらが良い、なんてことはないと思うよ。お互い楽しい時があったし、苦しんだこともあったんだから。赤シャツ君の受験がもしもうまくいかなくても、それは遼子だけのせいじゃないからね。前日に部室を貸した私にも責任はあるんだから。」そこまで言うと、遼子の気持ちも少しおさまったようで、「先輩、なぐさめてくれてありがとう。」と言って電話を切った。


遼子と私の心配には及ばず、赤シャツ君はやはり、見事志望校に合格した。
「良かった。けれど、やっぱり赤シャツさんらしいね。もしも彼が受験に失敗したら、私もう一度会いたいと思っていたんです、なんとなく。」合格を知らせた私に遼子はそう言った。
「もう一度会って、どうしようと思っていたの。」と聞いてみた。
「ひどいこと言ってごめんね。と謝って、「試験私のせいだね。赤シャツさんはあんなに頑張っていたのに。私、赤シャツさんが元気になるまで、そばにいるから。」と言ってあげるつもりだった。」
「でも、合格だからもう会わない。もう何も言わなくてもいいでしょ、先輩。おめでとうって、先輩から伝えて下さい。おねがいします。」すっきりした顔で遼子はそう言って帰って行った。

         
                                      つづく
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Excerpt: コーラコーラ (kola) は、アオギリ科コーラ属の植物。学名は''Cola nitida''。その種子は、「コラ・ナッツ」と呼ばれ、大量のカフェインを含む。炭酸飲料のコーラ('':en:cola|w..
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Tracked: 2005-08-27 12:23