2005年09月23日

いつもチンチンに冷えたコーラがそこにあったその10

お誕生日おめでとう。

元気にしていますか。
僕なんかがお祝いしなくても、君はきっと素敵な誰かと楽しく過ごしているんだろうけど、ほかでもない二十歳の誕生日だから「おめでとう」が言いたくて、また女々しくペンを取ってしまいました。
僕はもうすぐ大学を卒業します。弁護士になるという目標に向かってなんとか頑張っています。
高校時代の僕は、今思い出せば赤面するようなことばかり君にしてしまって、君を傷つけてしまい、恥ずかしいかぎりです。いまさらだけど、本当にごめん。
君の明るい笑顔で僕は随分励まされた。そしてその明るさの後ろの淋しがりな影に魅かれていました。受験生の僕は、遼子、君に癒してもらってばかりで、最後は追いつめてしまった。
一年生の遼子の方が僕よりずっと大人だったね。君の優しさ、僕はずっと忘れない。

ありがとう。 君への手紙はこれで終わりにします。

遼子、君の夢に向かっておもいきり羽ばたいてください。
輝いてください、いつまでも。


二十歳の君へ    
                                 赤シャツ





「赤シャツ君も苦しんで、大人になったのね。遼子のこと彼はちゃんとわかっていたんだね。」手紙を読み終えて私が言うと「この手紙で私救われた気がしました。つらい時だったから、心にしみて何度も読み返したんです。それに、赤シャツさんのこと傷つけただけだと思っていたから、「ありがとう」と書いてくれて私にも少しは良いとこあったのかなと思えて、うれしかった。それで、私もありがとうと、ごめんなさいの返事をかいたんです。」
「もう一度自分を見つめなおして、何か私にできる目標を見つけます。楽しいことばかりを追いかけないで、つらくても頑張れることを探します。」




ビン入りのコーラは見かけなくなったけど、コーラを見ると思い出す、赤シャツ君と遼子、インクのにおいのする新聞部の部室。いつもチンチンに冷えたコーラの物語。

                                   おわり
この記事へのコメント
そうか、弁護士になるのか〜
結局彼には新しい恋はなかったのですかねえ
でも、二人の関係いい形でピリオドが打ててよかったですね。私なんかいまだにどこかで引きずっていて情けないったらありゃしない。
さて今度は何をお書きになるのですかあ?
リクエストです。
佐恵子さんの青春(今もかな?)時代の音楽とのかかわりみたいなものが聞きたいですねえ。
Posted by at 2005年09月23日 11:12
たった一人の読者様
赤シャツ君とあなたは、どこか重なるところがあったのでしょうか。
今頃はきっとりっぱな弁護士になられて活躍されていることでしょう。遼子に最後の手紙を出した時は多分新しい恋の予感もあったのではないかと私は予想しています。
一つだけ付け加えるなら、この物語はあくまでも
私の青春時代の思い出を織り交ぜたフィクションです。遼子という新聞部員は架空の人物です。彼女はもしかしたらもう一人の私なのかもしれません。
最後まで見守っていただき、ありがとう。
あなたの心の広さをいつも感じていました。

次回リクエストにお答えできるよう、なんとかまた書いてみます。
Posted by 佐恵子 at 2005年09月23日 15:58
ずっと愛読させていただきました。
本当はまだ続いてほしかったけど、
現実にはやはりこの話のように引きずることなく
お互いに違った道を行くということの方が多いですね。
楽しませていただきありがとうございました。
また、書いてね。
Posted by awakak at 2005年10月04日 02:12
awakakさん、コメントありがとう。愛読していただいてたなんて、感激です。
この物語書きたくなったのは、やはり傷つけてしまった「赤シャツ」君のことが忘れられなかったからです。最後の手紙には本当に元気づけられたのです。
また新しい物語、書きますね。
Posted by 佐恵子 at 2005年10月08日 08:31
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